第四色

◯シブキカフェ・全景(夜)
  
◯同・中(夜)
  腕を組んで目を細めている夏奈。

夏奈「お客さん、困ります!」
  
  カウンターに凭れている紗子。
  エスプレッソのカップがある。

紗子「だって~私が出会ったのは...」
夏奈「長髪イケメン。でも転校してき
  たのは?」
紗子「普通のハゲ。天変地異、修羅
  撲滅、異常事態発生」
夏奈「悪い人じゃなさそうなのに」
紗子「関係ない!今日は飲むよ!」

  カップを持ち上げる紗子。

夏奈「ごめん。今日はそろそろ...ね」
紗子「親友がこんなに傷ついてるのに
  そんなことよく言え...」

  携帯電話を取り出す夏奈。
  携帯電話が震えている。
  申し訳なさそうな顔をする夏奈。
  顔をしかめる紗子。

◯七四季高校・教務室(朝)
  顔をしかめている紗子。
  椅子に座っている安子。

紗子「今、なんと?」
安子「放課後、学校案内をして欲し
  いの」
紗子「誰を?」
安子「市橋君」
紗子「今、なんて?」
安子「だから学校案内」
紗子「圭太にやらせればいいと思い
  ます」
安子「わかりました。その代わり責任
  は二宮さんが取ってね」
紗子「それとこれは...」
安子「お願いね」

  息を大きく吸って吐く紗子。

◯同・全景(夕)

◯同・音楽室・前(夕)
  歩いている紗子。  
  紗子に付いていく市橋。

紗子「音楽室」

  振り返り歩き出す紗子。

◯同・物理教室・前(夕)
  立ち止まる紗子と市橋。

紗子「物理室」

  歩き出す紗子。

◯同・体育館(夕)
  バスケットボールを持ち生徒が練習
  をしている。
  ドアを開ける紗子。
  紗子の隣に市橋。

紗子「体育館」
市橋「もっとゆっくり教えてくれよ」
紗子「タイムイズマニー」

  イーっとする紗子。
  ボールが紗子に飛んでくる。

生徒「おい!さっさと閉めろ!」
紗子「閉めて欲しければ、一勝位しな
  さいよ!」

    勢いよくドアを閉める紗子。

◯同・体育館前の廊下(夕)
  苛立っている紗子。
  呆れている市橋。
市橋「頑張ってる奴に優しくしろよ」
紗子「頑張ってるから何なの?そんな
  甘い考えだから弱いまま」
市橋「いいんじゃね!報われなくて。
  本人が満足してれば、それで」

  頭の後ろで手を組み笑う市橋。

紗子「あんたも挫折すれば分かるよ」
市橋「そうだな!俺には無縁かもな」

  歩き出す市橋。

◯同・昇降口(夕)
  歩いている市橋。
  市橋に近づく紗子。
  内田智樹(15)が下を向き歩いている

紗子「勝手に歩かないでよ!」
市橋「後は?」
紗子「調理室」

  カキーンという音。
  窓の外を見る市橋。
  野球部員が練習している。

紗子「うちの野球部、そこそこ強いの
  よ。打てないけど、常にベスト16
  まで行くんだから」
市橋「...ベスト16」
紗子「結果を出して、初めて評価され
  るの。分かった?」
市橋「たかが16」

  真剣な表情の市橋。

紗子「たかがって」
市橋「今日はもういいや。ありがとう」

  笑顔になり歩き出す市橋。

紗子「ちょっと勝手に」

  振り返り紗子に近づく市橋。

市橋「手、出して」

  怪訝な表情の紗子。
  紗子の腕を持ち手に飴を乗せる市橋。

市橋「今日のお礼。じゃ!」

  去っていく市橋。
  手を広げる紗子。
  「蕪味」「沢庵味」と書かれた飴
  苦笑いをする紗子。

◯同・教務室(夕)
  怒った表情でドアを開ける紗子。
  安子と上杉、白鳥の後ろ姿。

紗子「九十九先生終わりました。帰り
  ます。2度とやりません」
安子「お疲れ様」

  振り返る白鳥。

白鳥「あっ君は...」
  
  睨みつけて白鳥を見るが、驚く紗子

白鳥「また出逢えましたね」
紗子「だと思ったんです。うちの制服
  だったから」
安子「知り合い?」
紗子「まぁ、ちょっと」
上杉「明日から二年B組の生徒だから
  何かあったときよろしくな」
紗子「って事は同級生?」
白鳥「みたいだね」
紗子「完璧です」
白鳥「?」
上杉「学校案内は学級委員に任せると
  して」
紗子「私やります」
上杉「いや、それは悪いよ」
紗子「私がやります」
安子「さっき2度とやらないって」
紗子「2度までならやると言いました
  が」

  ジッと安子を見る紗子。
  頭を掻く安子。

白鳥「僕も顔見知りの方が嬉しいな」
安子「どうしますか?」
上杉「任せてもいいんだな?」
紗子「もちろんです!」

  笑顔の紗子。