午後四時。指定されていた郊外の空き地に着くと、そこには既にノアとクレイが待っていた。

「ようやく来ましたね」

ノアは、オレとイルーファがいるのを確認する。

「では、今後の予定をお伝えします。
これからの行動は、迅速かつ穏便に行いますので、しっかりと聞いて下さいね」

予定としては、警備の薄い裏庭付近から屋敷に潜り込み、渡された地図に印されている道順の通りの場所へと向かう、とのことだ。

「それでは、目的地へ向かいましょうか」

最初にノアが歩き出す。その後をオレとイルーファが、最後にクレイが続く。
途中、オレは口を開いた。

「ところでノア、あんたが取り戻したいものってのは、ひょっとして・・・・・・」
「・・・・・・水の力を司る魔性の石レキサドラです」

ノアはこっちを見ることなく、冷静に答える。
やはり、オレの予想は外れていなかったようだ。

「でも、どうしてだ?」

さすがに話の内容が暗くなったせいか、ノアの表情がやや曇りだし、声の大きさもお互い小さくなる。

「各地に散らばったレキサドラ・・・・・・あれは、元々私の一族の物で、タリスの様に扱うものではありません。
私は国王の密命で、各地に散らばったレキサドラを回収しています。
あれを、本来の姿に戻すために」

そして、目的地である豪邸へ辿り着いた。

「と言うことですので、あれは大変危険且つ重要なものです。
失敗は許されませんので、気合をしっかり入れて下さい。
もし途中で仕事を放棄すれば・・・・・・まあ、ご想像にお任せします」

ノアは再び、オレ達三人に普段通りの眩しい笑顔を見せた。
この発言は本気なのか、単なる緊張をほぐすための冗談なのだろうか。
どっちにしても、この仕事は失敗していけないということは良く分かった。